[2007年6月17日 新札幌こどもの国閉店]

最後の雄姿

実は幼少の頃より行っていた思い出の店。


身延山では開闢会の御入山行列が華やかに行われ、北21条ではラウンドワン開店に賑わいを見せているその裏で、ひっそりと?歴史を閉じようとしている店があった。それが今回紹介する「新札幌 こどもの国」である。

これまであさみ堂に来ていた方ならお解かりだとは思うが、JR新札幌駅もしくは地下鉄新さっぽろ駅に隣接する商業施設「サンピアザ」の一角を担う、2フロアの館内娯楽施設である。
1階は子供向けの遊具やメリーゴーランド、フードコートなどがあり、2階は大型筐体、ビデオゲーム、メダルゲーム、プライズなどが並んでいる。ここには長年にわたりパカパカパッションが設置されていて、本州から来るパカラーさんはだいたいココの店に来ているのである(理由は新千歳空港からJRで来る人が多く、ここで下車する為)。
特にこの店には大型筐体のラインナップが珍しく、初代の「電車でGO!」や、「ラッドモービル」、さらにはすでにナムコにすら現物が存在しない貴重な台「メタルホーク」が設置されていた。
さらにパカパカパッションに限って言えば、「1」に関しては音響強化が無いものの音量が大きく、Lipsプリカパートならば1階まで聞こえるほどの良台。「SP」は音が小さく、またモニターも画面焼けやブレがあって難のある台であったが、近年の相次ぐパカロケの閉店により、2007年6月現在で、「全国で唯一の大型モニターでのパカ台」となったのである。

本日のエッセィは、新札幌こどもの国閉店のレポートである。
なお、随身員として娘・カナ(仮名・4歳)が同行している。


6月17日正午過ぎ、福住のヤマダ電機で買い物を終えた一行は、福住駅より地下鉄で移動し、新さっぽろ駅に到着。3番出口よりサンピアザ内に入り、こどもの国に到着した。今日閉店するというムードではなく、いつもの日曜と変わらなく、家族連れやグループで賑わいを見せていた。


こどもの国 2階入口
本日訪問したこどもの国入口(2階)。


閉店のお知らせ
店舗入口には閉店の旨のお知らせがあり、改めて今日の閉店を実感させられる。


パカSP台
これが2007年現在、全国唯一の50インチモニターのパカ台である。
上のたれぱんだがアクセントとなり、注目を集めている。
インストは全て収められており、機能的である。
左にはスペースインベーダーリターンズが同筐体にて稼動しており、これも全国唯一であると思われる。


初代の電車でGO
その台の横には「初代の電車でGO!」が設置されている。
山手線で205系が走っている時代のもので、歴史を感じる(別の日に撮影)。


メタルホーク メタルホーク
開発メーカーのナムコ本社にすら残っていない「メタルホーク」。
一時期「ナムコミュージアム」(プレイステーション)に移植の噂もあった。



バイクのレースゲーム「スズカエイトアワーズ」。
レースクイーンのポップが象徴的である。



セガのレースゲーム「ラッドモービル」。
なおこの台はイトーヨーカドー琴似店でも稼動している為、全滅を免れた。


レイブレーサー
今では珍しい?「レイブレーサー」の通信対戦台。


パカ1
こちらはパカ1。晩年は奥に追いやられていたが、その音量で存在を保っていた。
ちなみにデモ音がONになっているので、Lips XTCやBlue Noiseのプリカがデモ画面に出ると(店内の込み具合にも寄るが)1階までその音が響いていた。



新札幌こどもの国といえば、屋内メリーゴーランドが有名である。
本日は無料とのことで、娘・カナ(仮名)も乗車した。
その横には遊具「パイレーツ」があり、娘・カナ(仮名)も20分100円(コインパーキングか?)にて楽しんだ。
(同伴の保護者は無料)


ボウリングに真剣?に取り組む娘・カナ(仮名) 4台並ぶパーフェクトボウル
またその横にはワニワニパニック、コズモギャングスなどの様々なエレメカもある。
その中から娘・カナ(仮名)は、「パーフェクトボウル」を選択。元は2階にあった台である。
(参考:左写真はその台の様子である)


ハンマーでモグラ退治をする娘・カナ(仮名)
また、いわゆる「モグラたたき」を好む。ゲーム名は失念。
この位置はちょうど日が強く入る位置のため写真写りがイマイチになってしまった。


筆者も遊んだことのある遊具
一見するとなんでもない子供向けの乗り物であるが…
これは筆者の幼少時代より稼動しているのである。
店が如何に大切に使ってきたかが伝わってくるようである。


パトカーの乗り物
コチラも同様。基本的にこの店は大型筐体の物持ちが良い。



クリア画面 スコアランキング画面 
さて、筆者も最後のゲームに挑んだので、その報告も併せて行う。
まずは「ナムコクラシックコレクションvol.1」収録の「ギャラガ・アレンジメント」。
最近は2〜3ミスすることが多かったが、この日は21面で1機ミスしたのみでクリア。
スコアボーナスも多めに入り、120万点を突破した。


初の2人協力!
そしてこれが娘がやりたいと言い出して(本当)、2人協力でプレイしたもの。
アテにしてない娘・カナ(仮名)だったが、6面まではプレイできていた。
28面でゲームオーバー。


最後のパカ1
最後のパカ1は、XLのチョンボでギリギリ120万点。
この日、娘カナ(仮名)もパカ1を初体験!練習モードのエスケでゲームオーバーだった。


最後のパカスペ
最後のパカSPスコア。
結局新札幌でのJETマリカ悲願の99%は達成できず…。
あと、ノーマルモードにて娘カナ(仮名)もプレイをし、最後に華を添えた。

突然の閉店発表から短期間ではあったが通い続けて感じたことは、やはり昨今の情勢を鑑みるに、パカ設置店はそれだけで優秀であり、「遠いから」「台の環境が…」とは言っていられない状況に気づくことの重要性を改めて認識させられたということである。また、同時に見た目だけにとらわれて、本質を見失うことの怖さも知るべきであると思った次第である。例えモニターが悪くとも、筐体そのものが「全国で唯一」と考えれば敬遠は出来ないはずだ。この台があることを本州のパカラーがどれだけ羨ましがっていたか。札幌在住でこの店を敬遠していたパカラー達には今一度猛省をするとともに、現在残った店舗のありがたさをより一層噛み締めていただき、さらなるパカパカ道に励んでいただきたいものである。

最後に。全くの私事であるが、この店はパカがきっかけで行った店ではなかった。幼少の頃から家族でよく遊びに来た店であり(当時は2階の吹き抜け部分の外周にモノレールのような遊具があったが、2階〜1階連絡階段にあった踏切で事故があり撤去された)、私にとっても兄弟にとっても両親にとっても思い出深い場所であった。近年では私が仕事に行っている間に娘を連れて遊びに来るなど、車で15分程度の場所ということもあって手軽な遊び場でもあった。それだけに、この店にはより一層の思い入れがあったのかもしれない。

1ヵ月後には「ファンタジーキッズリゾート新札幌」がこの場所にオープンする。ビデオゲームの設置はほぼ絶望的といわれているが、もしも奇跡的にパカが残っていたら…また、通うことになるであろう。その時には今日のように、娘も一緒に…。

数多くの思い出と共に、またひとつの店が、その歴史を閉じた。
2007年6月17日 新札幌こどもの国 閉店…

おまけ。

黒枠の欠けた黄色ボタン
パカSP台1P側。こんな状態でプレイしていた


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